Heavenly Creatures

兎狩りならダンスホール!

MILKに夢見る25歳

最近のZipperしか知らない子たちには、暗くて偏屈そうだと言われそうなかつてのZipperで、18歳のわたしはMILKに出あいました。Zipperは今で言う青文字系の女性ファッション誌、MILKは原宿に本店を置くファッションブランドです。季節は冬で、いや、その誌面に冬物が載っていただけでわたしがそれを見たのは秋だったのかも。いま思えば、べつに何てことない、カーネーションみたいな鮮やかなピンクと、黒のボーダーのマフラーと手ぶくろの写真が掲載されていました。マフラーは端にすげないゴシック体で「MILK」と書いてある。とくべつでも何でもなくて、マフラーのくせに温かそうではないし、どこにだってありそうだったけど、どこでだって見つけられなかった、そのロゴがわたしを呼んでいました。値段も手ごろだったし、制服にも合わせやすそうだったから目がついたのかもしれません。もう雑誌そのものは捨てちゃったけど、スクラップして残しておいたのを見つけました。

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ほかのページにもMILKの洋服やアクセサリーがいくつか紹介されていて、どれもかわいいのに毒気のあるところがいいなあと思いました。Zipperの巻末に載っていたのは原宿店の住所で、こんなかわいい洋服屋さんが仙台にあるもんかしらと期待をせずに探したら、セレクトショップで取り扱っていることがわかりました。地下鉄広瀬通駅を降り、西4番出口から出て仙台フォーラスの角を曲がって直進、青葉通りの横断歩道を渡って、マクドナルドを行き過ぎた右手に、白い壁の小さなショップがあります。かつてはありました。現在は駅前のパルコに移転しているのですが、MILK原宿店の店舗を横にぎゅっと縮めたような路面店の外観がわたしはとても好きでした。あんまり書くと、ショップの店員さんたちにあの子よねなんて噂されるのが恥ずかしいので、、おゆるしください。このセレクトショップでは、Jane Marple(MILKのデザイナーをしていた村野めぐみさんが独立し立ち上げたブランド*1)なども取り扱っていて、いまでは、たとえばわたしがMILK担だとしたら、ジェーンは副担みたいなもので、愛用しています。

そこで、初めて訪れた時だったか、2回目に訪れた時だったか、Zipperで見付けたマフラーを買いました。手ぶくろは品切れ。マフラーのピンクも品切れで、購入したのは白と黒のモノトーンのものでしたが、冬場は学校へ行くのに毎日使っていたと思います。いまは、毛羽立ちが目立つようになったのでしまっていますが、使わないなら処分しなくちゃなあと思いつつ、捨てられずにいます。

 

日本のファッション史を振り返ってみれば、ロリータ・ファッションと目されるスタイルの草分け的存在が、大川ひとみのMILKと金子功ピンクハウスである。MILKは1970年に始まったブランドで、セーラー服をはじめとしたあどけなさの残る少女のようなスタイルが特徴である。一方のピンクハウスは、フリルの多用された花柄のワンピースなどが主なアイテムで、両ブランドとも、現在のロリータ・ファッションと直接重なるわけではない。だが、フランスの女子高生(リセエンヌ)スタイルを売りにした雑誌『Olive』にて両者がしばしば取り上げられたことからもわかるように、そこで目標とされているのは、日本人によって理想化された西洋の少女であった。そこから出発し、最大公約数的に「ロリータらしい」要素が選択され、あるいは淘汰され、今のスタイルに結び付 いたと言えるだろう。

ロリータ・ファッション | 現代美術用語辞典ver.2.0

MILKは1970年生まれ、トニセンよりちょっとだけ先輩です。ロリータ・ファッションの元祖といわれて、初期の嶽本野ばら作品にもよく出てきますが、MILKサイドは当時そう呼ばれることをあまり好まなかったようです。元祖といえど、上述のように、いまでいうロリータ・ファッションは完全にMILKと分離しています。何がロリータで何がロリータではなくロリータとは何なのか論争はかなりアツく、わたしが口出しできるものではないので、書きません。。劣等感カテゴライズそういうの忘れてみましょう!*2 うぃきのMILKの項には「パンクロリータ」に属すとありますが、現在のMILKとは少し印象が違います。*3かといってMILKを"ガーリー"と括ってよいものかといえば、それにしてはカジュアルさに欠けている(カジュアルなものもいっぱいあるよ)。わたしは一時期L'EST ROSEなんかも好きで、たまに着ていましたが、ああいうお嬢様っぽいのとも違う。最近「LARME」という雑誌が好評であるように、"わたしたちソフィア・コッポラが撮るような女の子になりたい!!というガーリー"も流行って?いて、わたしもかわいいと思うしLARMEもたまに読むけど、パンチが足りないよーと思うことも、しばしば。(この間の、あもちゃんが表紙のやつは、とてもよかったです)

ファッション誌「LARME」即日完売・重版で定期化決定 美人編集長が躍進の理由を語る<インタビュー> - モデルプレス

 

昨今のMILKには、もっとこう~~~流行なんか気にせずに、もっとパンチきかしてよ!!と思うことも少なくなく、予約会に行ってもまったく食指の動かないこともありました。でも今年に入り、やっぱりあたしにはMILKしかないな、みたいな、そんな原点回帰を感じています。たまに、何がどうしてこうなったのよ!と、『涙のアトが消える頃』のまーくんさんのようにMILKさんをガクガクッとミュージカルに揺さぶりたくなることもありますが。MILKの赤が好き。底抜けにかわいいけど、ぶりっこしてない生意気そうな感じが好きです。

MILKといえば、というアイテムがいくつかあり、「MILKのハートバッグ」がそのひとつです。

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このハートのかたちが、MILKを象徴しているなと感じるのです。この、そっけないシンプルなハート!愛があるんだかないんだかわかんない媚びないハート!最近はいろんなブランドからハート形のバッグが出ていますが、MILKのハートのかたちが一番好みです。案外大きいので敬遠する人もいますが、わたしは荷物が多いので、使い勝手もよいなんて!と惚れこみ、いまでは同型が5色あります……。

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出動頻度が高いのは、赤と、黒です。ハートバッグのなかでもポピュラーなのはベビーピンク。シャイニーゴールドとメタルピンクはクリスマス限定…の時に買ったのかなあ?シャイニーゴールドさんは購入した時からちょっと持ち手が曲がっています。持つと気になりません。お上品な黄金色なのですが相当なひねくれ者です。

 

わたしは大変な小心者で、人目を気にせずには生きていかれない、この記事を書いていても、洋服なんか興味ない人がどう反応するのだろうと不安に駆られて仕方ないのですが、その割りにやっかいな矜持を捨てられず、まだまだMILKとともにあるつもりでおります。ただ、学生時代のような、敵なんかいないし束縛もされないしわたしはいつでも素敵に無敵、強気に本気~!みたいな着こなし方をしてはいられない(その気概は容姿の老化に耐えうるものではない)ので、MILKでも、選ぶものは変化しました。また新しく、ああでもないこうでもないとMILKの装いを考えるのは楽しいので、昔は大人になるのが嫌でしたが、これはこれでいいかなあと思えます。なっちゃうものはしようがないのだし。25にもなって愛するファッション・ブランドがあることは恥ずかしいことでしょうか?いくつになっても着たいお洋服があるということ自体は、恥ずかしいことではないと思います。MILKしか着たくないワというわけでなく、色んなお洋服を着たいけどMILKはそのなかでもいっとう大切で、夢を見ていて、憧れ続けるブランドなのです。

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この間の日曜日、MILKへ予約していたものをお迎え*4に行きました。MILKの2007 Summer Collectionで出たアルファベットバニーのカットOPを、先日ご縁があって譲っていただいたので、早速着ました。7年前以上前のものなのに新品のようにきれいです。発売された当時わたしは高校生で、お金がなくて眺めているだけだったのですが、欲しいと願い続けていれば巡り巡ってくるんだなあといたく感激しました。最近はカジュアルにMILKを着たい気分です。

 

ちなみに、仕事ではユニクロかGUばっかり着ています。自分でもすごく不思議なんですけど、線引きがはっきりしていて、仕事では好きな洋服を着たいとは一切思わないんですね。纏うものが、切り替えのスイッチになってるのかな?と思うことがあります。

 

 

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MILKのライダースジャケットが好きで、学生のころ毎日着てた。ひと冬これで越冬したら、風邪ひきまくって冷え症が悪化した気がする。こういうピンクずくめ・ツインテール・ぱっつん前髪が、素敵に無敵、強気に本気、もひとつおまけに元気に勇気!という気概です。素敵な気概です。

*1:ジェーンのお洋服も大好き。MILKより高値だからなかなか手が出ないけど、舞台を観に行く時はジェーンを着ていきたいなって思う

*2:高校生のころ、椎名女史のコピーバンドを1回だけやりました。いやあ青いな

*3:これ、野ばらからかなあ…

*4:予約品を引き取ることを「お迎えする」と、MILKを好きな人たちはよく言うので、わたしもそれにならっています。ロリイタさんとかも使うと思うけど。